遺産分割・遺言について
相続は誰もが関係する問題
遺産の放置はおすすめできない
良い遺言を書くのは難しい
自分が亡くなった後に、渡したい人に遺産を残す(逆にあげたくない人には遺産を残さない)方法としては、遺言がもっとも簡単で負担がありません。
遺言には、代表的なもので自筆証書遺言と公正証書遺言の2つがあります。
自筆証書遺言は、簡単に作ることができ、書き直しも手軽にできるのがメリットですが、紛失や破棄されてしまう危険が最大のデメリットと言えます(とはいっても、自筆で書けるので、気持ちを込めることができるのがメリットでもあります)。
公正証書遺言の場合は、管理がしっかりしているので紛失の危険はありません。費用が余計にかかるのと、手続がやや煩雑なのがデメリットと言えます。
どちらの遺言を行うにしても、遺言を書くにあたっては、遺産全体の状況をしっかりと把握する必要があります。仮に、すべての財産を把握しないまま遺言を書いてしまった場合は、書かれていない財産についてのトラブルが発生し、遺言を書いた意味が半減します。また、遺言で財産を残す以上は、その管理の負担が残した人にかかりすぎない配慮も必要だと思います。管理の負担が大きすぎて、結局、遺言通りに相続されない場合もあります。
その他、誰かに遺産を渡さない遺言を書く場合は、遺留分に対する考慮も必要です。遺留分の主張で結局トラブルになり、遺言の意味が減ってしまいます。遺留分を考慮して遺言を書いておけば、その危険はかなりなくなるでしょう。
最後に何より大事なのは、遺言を書く以上は、意図通りに執行される遺言を残す必要があることです。公正証書遺言ならば、その危険はないかもしれませんが、自筆証書遺言の場合は、亡くなられたあとにでてきた遺言の内容が意味不明で役にまったくたたない、ということもありえます。
きちんと遺産をトラブルなく分配したいのであれば、文案を相談する一手間はかけた方が良いと思います。遺言は元気なうちに
自筆証書遺言であれば、自分で文字を書くことができれば、文案をそのまま書くことで作ることができます。公正証書遺言であれば、その意志を公証人に伝えることができれば、作成できます。
しかし、遺言を書いた人に本当に意思を示すことができるほどの能力が残っているかどうかは、よく争われます。亡くなる危険が迫れば迫るほど、遺言を書く動機が高まりますが、そのときには遺言を残す能力がない、あるいは能力をめぐって争いになるおそれがある状況になっていることが多いと思います。
病気や事故などによって、急に能力を失うこともあるため、今の時点で明確な意思があるのであれば、若くても遺言を残すのが得策だと思います。70歳を超えたら、遺言も含めて、今後の財産のことを一度専門家を交えて考えてみても良いのではないでしょうか。
なお、意思がはっきりしていれば、お体が自由に動かなくても遺言はできます。当事務所では、バリアフリーの相談室がありますし、必要であれば出張相談も前向きに検討します。
相続放棄はお早めに
相続はプラスの財産(預金、不動産等)だけでなく、マイナスの財産(借金、未払金等)も受け継ぐことになります。また、一見プラスの財産であっても、売れない不動産は固定資産税などを払い続けなければならないため、実質的にはマイナスの財産となることもあります。そのため、せっかく相続を受けても予期しない損害を受けることがあるのです。
このように相続財産が受け継ぎたくないような内容であった場合には、相続開始を知った時(通常はお亡くなりになったことを知った時)から原則として3か月以内に相続放棄の手続をする必要があります。期間を経過すると、債務を引き継がなければならないことになるので、早く相談することが重要です。
ただし、場合によっては、3か月を過ぎた場合でも対応できることもありますので、諦めずにまずはご相談ください。
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