養育費や親子問題などについて
子どもをめぐっては離婚前も後も問題が多い
子どもをめぐる問題は、離婚前も後も複雑でそれに対応したいろいろな手続があります。
離婚していない段階で別居している夫婦の場合には、婚姻費用分担の請求を行うことができます。これは、養育費に加えて自らの分の生活費を相手方配偶者に求める請求です。別居中については、児童扶養手当などが給費されず、生活が厳しい場合が多いので、婚姻扶養分担の請求は重要な手続といえます。また、離婚前に別居している場合は、面会交流が問題になることが多く、離婚を解決しながら、同時に面会の際に接触することが求められるので、厳しい交渉になり、精神的にも負担となることが多いと言えます。
夫婦が離婚した後の子どもの問題として、養育費の支払い、面会交流、親権者の変更、子の引渡し等が挙げられます。
養育費や面会交流については、離婚時に決めていなくても後から求めることができますし、離婚時に決めていたとしても、収入の増減などに応じて金額や回数を増減するよう求めることができます(したがって、子どもの問題は成人するまでは最終決着がないともいえます)。再婚後に子どもが増えた場合などにも、金額の変動が起こりえます。
親権者の変更や子の引渡しについては、子どもの健全な生育に直結する問題で、深刻な問題や対立になることが考えられます。
親子間の法律問題も難しいものが多い
離婚後の夫婦間の問題だけでなく、親子間の問題も法律として取り扱うことがあります。 認知、養子縁組の解消(離縁)、親子間の扶養請求などが挙げられます。
認知については、結婚していない段階で生まれた子どもについて、父との法的な親子関係を確定する手続です。父に対して、子どもの養育費の請求をしたり、相続関係を発生させるために重要な手続です。
また、養子縁組は、結婚のように、届出によって法的に親子関係を発生させる制度ですが、離婚と同様に、養子縁組を解消する(離縁する)必要がある場合があります。これも、相続関係を消滅させるなどの効果が考えられます。
しばしば問題になるのが、親子間における扶養請求で、親あるいは子が貧困にある一方、子あるいは親に一定の資力がある場合は、扶養を請求することができます。貧困状態を少しでも解消させるためには、有力な手段と言えます。
また、親子関係がうまくいくよう調整する調停もあります。
なお、親子関係については、生殖医療の発達により大変複雑な問題が発生しています。親子関係の分野は、実は現代の法律に関する最難問を含んでいるともいえます。
対立しがちな手続では調査官の対策を
解決に向けた方法は,①協議,②調停,③審判(あるいは裁判)の3つです。
養育費や面会交流などは、協議による解決をまず考えたいところですが、親権者の変更や子の引渡しなどは対立が激しく協議できないことが多いです。話合いで解決しない場合は,家庭裁判所に調停を申し立てます。離婚の場合と同様に,調停をまず行わないと,裁判(あるいは審判)の手続に進まないのが原則です。
その上で,調停でもうまく解決ができない場合は,審判(認知や離縁の場合は裁判)を求めて,裁判所の判断で解決を図ることになります。なお,子の引渡しなど,緊急の対応を図る必要がある場合には,審判前の保全処分によって暫定的に実現を目指す場合もあります。
子どもをめぐる問題では、家庭裁判所調査官による調査結果が結果を左右することが多く、特に注意が必要です。子どもの養育をめぐる実情をゆがみなく調査官に伝え、また、相手側から事実をゆがめられることがないよう、毅然と対応することが必要です。
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